国際交流ラウンジ 令和8年度春期「季節シリーズワークショップ」活動報告
~季節交流を通じた留学生支援と居場所づくりの実践~
国際交流センターでは、留学生が安心して日本で学び、充実した学生生活を送ることができる環境づくりを目指しています。その取り組みの一環として、留学生が気軽に集い、交流や相談へと自然につながる「居場所づくり」を目的に、国際交流ラウンジにおいて「季節シリーズワークショップ」を継続的に実施しています。
本活動では、日本の季節行事や各国の文化を取り入れた体験型ワークショップを通して、留学生、日本人学生、教職員が自然に交流し、互いに理解を深める機会を提供しています。
また、本活動は留学生支援にとどまらず、日本人学生の異文化理解や多文化共生への意識を育むとともに、学生同士の相互理解を促進することを目的としています。多様な文化的背景を持つ学生が安心して交流し、ともに学び合えるキャンパス環境の形成を目指しています。
1.季節シリーズワークショップの実施
令和8年度前期には、以下の活動を実施しました。
4月 こいのぼり制作(参加者:留学生9名、国際交流センター職員1名)
5月 紫陽花制作(参加者:留学生11名、国際交流センター職員2名)
5月 梅雨をテーマにした制作活動〈かたつむり・しずく〉(試行)(参加者:留学生2名、職員1名)
6月 七夕飾り制作(参加者:留学生14名、日本人学生十数名、職員2名)
6月 中国・端午の節句「平安紐結び体験」(参加者:日本人学生1名、留学生5名、国際交流センター職員1名)
6月 漢方香り袋づくり(参加者:留学生2名、日本人学生5名、国際交流センター職員1名)
2.こいのぼり・紫陽花・かたつむり制作
さらに、留学生たちは、こいのぼりや紫陽花、梅雨の風物詩であるかたつむりなど、日本ならではの季節や文化に触れることで、日本の四季や伝統行事への理解を深める機会となりました。制作活動を通じて日本文化への興味や関心が高まり、「日本の季節を感じることができた」「日本の文化を知ることができて楽しかった」といった感想も聞かれました。
このような季節を取り入れた交流活動は、日本文化への理解を深めるだけでなく、留学生が日本での生活に親しみを感じ、安心して大学生活を送るための支援にもつながっています。
3.七夕飾り制作
七夕飾り制作では、多くの留学生にとって日本の七夕文化を初めて体験する機会となりました。
竹への飾り付けや星、織姫・彦星の制作を行いながら、日本の七夕と中国の七夕文化の違いについて自然な会話が生まれ、異文化理解を深める交流の場となりました。
短冊には健康や学業、将来の夢、家族への思いなど、それぞれの願いが込められ、留学生や日本人学生同士がお互いの思いを共有する姿も見られました。七夕を通じて、日本文化への理解を深めるとともに、多様な文化や価値観を尊重し合う交流の機会となりました。
4.中国・端午の節句「平安紐結び体験」
中国の伝統文化である端午の節句に合わせ、「平安紐結び体験」を実施しました。
活動では、端午の節句や平安紐に込められた意味を紹介した後、参加者それぞれが好きな色の紐を選び、四つ編みの平安紐づくりに挑戦しました。
参加者からは、「友人に見せたい」「部屋に飾りたい」「腕に着けたい」などの感想が寄せられ、自ら制作した作品を嬉しそうに紹介する姿が印象的でした。また、日本人学生にとっても、中国文化への理解を深める貴重な異文化交流の機会となりました。
5.漢方香り袋づくり
漢方香り袋づくりでは、中国伝統文化を紹介しながら、香りや薬草について学び、それぞれがオリジナルの香り袋を制作しました。
制作を通して学生同士や教職員との自然な会話が生まれ、和やかな雰囲気の中で異文化理解を深める機会となりました。
6. 浴衣体験活動
7月の浴衣体験活動では、留学生3名が参加しました。
職員が留学生一人ひとりに浴衣の着付けを行い、3人ともとてもよく似合っていました。着付け後は、職員が記念写真を撮影しながら、「ご家族やお友達にも見せましょうね」と声を掛けると、留学生たちは笑顔でうなずき、素敵な思い出となる写真をたくさん撮ることができました。
また、留学生からは「なぜ日本の浴衣や着物は裾が広がる形になっているのですか」という質問がありました。これに対し、日本の衣服は中国・唐の時代の服装の影響を受けながら、日本の気候や生活様式に合わせて独自に発展してきたことを説明しました。
さらに、「この服は日本語で何と言いますか」という質問もあり、「浴衣(ゆかた)」と伝えると、留学生たちは「ゆかた、ゆかた」と何度も繰り返し発音し、覚えようとする姿がとても印象的でした。
今回の体験を通して、浴衣を着るだけでなく、日本と中国の服飾文化の共通点や違いについて学ぶ機会にもなりました。留学生にとって、日本文化への理解を深める有意義な活動となりました。
7.活動を通じた学生支援
季節交流活動は、日本文化や異文化・自文化への理解を深めるだけでなく、留学生支援へとつながる大切な実践の場となっています。
活動中には、
レポート・卒業論文
日本語学習
学習方法や生活適応
将来の進路や大学院進学
人間関係
などが自然な形で行われ、交流活動が相談支援の入口として機能しています。
また、少人数で和やかな雰囲気の中で活動を行うことで、学生同士の新たなつながりが生まれるだけでなく、教職員との信頼関係を築く機会にもなっています。日常的な会話を通じて学生の小さな変化や困りごとにも気付きやすくなり、必要に応じて個別相談や継続的な支援へつなげることができています。
新年度開始から約1か月が経過しごろでは、日本での生活による疲れ、学習リズムの調整、人間関係、日本語への不安などについて相談する留学生も増えてきています。
国際交流センターでは、日常的な交流や個別相談に加え、このような季節交流活動を通して、学生が気軽に立ち寄り、安心して相談できる環境づくりを継続しています。
8.ミニ瞑想(リラクゼーション)の試行
日本での学習生活への適応に疲れやストレスを感じている留学生を対象に、少人数による短時間のミニ瞑想(呼吸法・リラクゼーション)を試行しました。
グループ参加3名、個別実施2名に対して実施し、参加学生からは、
「リラックスできた」
「気持ちが少し軽くなった」
といった感想が寄せられました。
短時間ではありましたが、心身を整え、自分自身と向き合う時間となり、心理的負担の軽減やセルフケア支援として一定の効果が確認されました。
9.今後の展望
国際交流ラウンジでは、今後も季節交流活動や異文化理解ワークショップを継続するとともに、セルフケアやリラクゼーションの要素を取り入れた新たな企画にも取り組んでいきます。
また、交流活動を単なるイベントとして終わらせるのではなく、学習支援・生活支援・相談支援へとつながる継続的な学生支援の場として発展させ、留学生一人ひとりが安心して学び、自らの目標に向かって成長できる環境と、気軽に集い相談できる「居場所づくり」を推進してまいります。
さらに、国際交流ラウンジを拠点として、留学生、日本人学生、教職員が互いの文化や価値観を理解し、安心して交流しながら学び合える機会を創出するとともに、多様な文化的背景を尊重し合うインクルーシブなキャンパスづくりを推進してまいります。
企画・編集
国際交流センター 陳 麗麗
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